オウンドメディアのプラットフォーム
オウンドメディアのモデルの中核にはオウンドメディアのプラットフォームがあります。

オウンドメディアマーケティングとは?(アーキテクチャ編)|オウンドメディア、CRM、マーケティングオートメーションのことならYURASへご相談ください。
オウンドメディアマーケティングを支えるプラットフォームの構成要素とアーキテクチャについて解説します。
本編は抜粋です。全編はデジマナのビデオ講座をご覧ください。
「オウンドメディアマーケティング(基本モデル編)」はこちら。
村井純慶應義塾大学教授とYURAS代表井浦の対談(ビジネスブレイクスルーITライブ)はこちら
オウンドメディアのモデルの中核にはオウンドメディアのプラットフォームがあります。
オウンドメディアを支えるプラットフォームは、図のような7つの階層から成ります。
CRMは、蓄積された顧客の購買行動データを元に、顧客軸や施策軸で顧客の反応を閲覧できる仕組みです。
ビッグデータ基盤とは、インターネット上に生成される不定形なコンテンツやデータを、容量制限無く蓄積して、分析などに利用するためのデータ管理基盤のことを指します。
アクセスログはユーザがウェブに訪問した記録が蓄積したファイルのことで、通常はテキストファイルで保存されています。
OLAP(On-Line Analytical Processing)は会員の購買行動データと、会員や商品の属性情報を多次元の分析軸に展開して、属性間の相関を探っていく分析手法です。
属性の相関を発掘(マイニング)する手法で、最近ではソーシャルメディアの膨大な呟きから、単語や形容詞の出現頻度を分析して社会情勢の把握や近未来予測に利用されることも多い分析手法です。
ユーザからのウェブサイトへのアクセスを分析することで、ユーザ環境、経路やユーザの滞留、離脱といった傾向を分析しサイトのアクセスやユーザビリティの向上に繋げます。
ターゲティングは顧客を絞り込んで、施策の対象を限定することです。検索なども同義です。
セグメントは顧客全体を特定の切り口で分割したもので、各セグメントに最適化した施策を実施するための枠組みです。全顧客に一律のサービスを提供するのではなく、顧客を分類して、それぞれに最適化したサービスを提供することで効果を上げることができます。
ターゲティングは母数を絞るため、母数より必ず少なくなりますが、セグメントは分割した全てを対象とするため総数が母数と変わりません。
セグメントは固定化されたものではなく様々な切り口があります。一つのページや1通のメール文面の中に複数のセグメントコンテンツを定義することで、よりOne to One に近いパーソナライズされた施策を実施することができます。
シナリオは、ある施策に対するユーザからの反応の違いによって、次に実施する施策をダイナミックに変える手法です。シナリオを上手に定義すれば、個別のフォローアップの必要がなく、無人での運用が可能になる利点があります。
アマゾンのサイトのように、ユーザがある商品をカートに入れたら、それに関連する商品をレコメンドしてきます。カートに入れた商品と、同じものを買った顧客が、他に何を買ったかを分析して提案してきます。
企業主導型とユーザ主導型のそれぞれの特性を活かして、コミュニケーションチャネルを活用します。
O2O施策を中心に、実施するサービスを定義しコンバージョンを計測する単位です。
マーケティング施策のライフタイムを図のような5ステップで管理します。
ウェブページを自動生成するウィジウィグエディターなどの各種機能により、担当者のコンテンツ制作や管理の負荷を軽減します。
セグメントごとに最適化されたコンテンツを定義するための箱を用意しておき、事前に定義しておくことで、配信時に動的に差し込まれます。
コンテンツを、多様なデバイスに対して自動的に最適化することを目指します。
セグメント化されたセグメントメールを配信します。
多数の会員に対してタイムセールなどのオケージョナルなメールを打つ場合には、メールの高速配信が、時に重要な意味を持ちます。
セグメントメールと同様な仕組みが、ウェブにおいても可能です。一律なコンテンツではなく、セグメントに最適化されたコンテンツから構成することで、よりパーソナライズされたワンツーワンに近いウェブをユーザに配信します。
メール配信とウェブ配信はPUSHとPULLの関係にあります。セグメントに最適化したコンテンツを、メールとウェブの両応で同様に構成することで、ユーザに対して、PUSHからPULLへの一貫したユーザエクスペリエンスを提供することができます。
動画メディアは時間軸を持つため、タイムラインに沿った視聴分析やタイムラインに沿って展開する施策が必要とされます。
DSP (Demand Side Platform)と呼ばれる広告配信のプラットフォームとCRMを連携することで、CRM会員に対して直接広告を配信できるようになりました。
オウンドメディアとペイドメディアの違いは、自社のサイトに露出するメッセージと他社のサイトに露出するメッセージの違いに過ぎません。オウンドメディアから直接広告配信する時代が来れば、広告は現在のバナー的なものから、よりメッセージ性の強いものに変わって行くと思われます。
企業は、コンテンツのシェアやツィートを通して、オウンドメディアからアーンドメディアへとコンテンツを拡散していきます。一方、Facebookに企業の公式サイトを開設したり、公式のツィッターアカウントなどでつぶやくこともできるため、オウンドメディアとアーンドメディアの境界がますます曖昧になっていく傾向にあります。
セグメント配信によって顧客へ伝えるメッセージが一律でないのと同様に、その配信媒体も固定ではありません。同じメッセージを伝えるにしても、同じメディアだけから10通届くより、10通りのメディアから1通ずつ届く方が、メッセージが伝わりやすく、ユーザに深く浸透する傾向にあります。
オウンドメディアのUIは、大きくユーザ向けのものと、マーケター向けの2つに大別されます。ユーザ向けには会員のマイページや会員サイト、そしてマーケティング担当者向けには管理画面やダッシュボードがあります。クラウドサービスなのでいつでもどこからでも必要な時にログインすることができます。
実際にオウンドメディアマーケティングを実践する場合に、アーキテクチャの全ての要素が必要というわけではありません。この中から自社の戦略や業種などに沿った要素を組み合わせて利用します。
メール配信だけのサービスであれば、メールと管理画面のシンプルな構成です。
CRMベースのサービスであれば、会員に対するアカウントサービスがあり、アンケートやイベントなどの機能を持つものが一般的です。
高機能なものであれば、セグメントを管理したり、クーポンスタンプなどのO2O向けのサービスを持つものもあります。実践したいオウンドメディア施策に必要な要素と、コストを勘案して適したサービスを選択することが重要です。
オウンドメディアマーケティングはオウンドメディアを中心に顧客を維持するリテンション拡大のモデルです。加えて、外部メディアに対しては、広告、ペイドメディアやソーシャル、アーンドメディアと連携して新規顧客獲得(アクイジョン拡大)を目指します。このように内と外の2つの好循環を通じて自社のビジネスを成長させていくのが、オウンドメディアマーケティングの目指すエコシステムです。
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経済不安や市場縮小といった課題を克服し、遅疑の時代に大きく飛躍するために企業が
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