突き抜けろ!金子雅紀

突 き 抜 け ろ ! 金 子 雅 紀

疲労しているときでも高いパワーを発揮できる。

背泳ぎには2つのタイプがある。世界一美しいと言われる入江選手のように伸びやかな泳ぎと、100m、200m背泳ぎ世界記録保持者のアーロン・ピアソル選手のような体のパワーを最大限に生かす泳ぎだ。金子選手が目指しているのは後者。「雅紀の場合は、高いパワーとスピードを引き出す能力があります。技術的なパフォーマンスも大事ですが、最後は体力勝負になる。勝負どころで高いパワーを発揮できるかが、大舞台でのチャレンジになってくると思っています」と話す仙石コーチ。

海外の選手と対等に競い合えるパワーをつけるための練習とトレーニングは、確実に金子選手の力になっている。リオ五輪前の強化合宿で血中乳酸濃度を測定したとき、金子選手は高い乳酸濃度を示しながらも泳速度を持続する能力が高かったという。つまり、疲労するとエネルギー出力も落ちてくるのだが、金子選手はそこから高いパワーを持続して発揮する能力に優れているということだ。仙石コーチは、もがききったその先に、栄光があるのだと話す。 「“オリンピックは参加することに意義がある”とは近代オリンピックの父クーベルタン氏が述べた言葉ですが、続きがあります。人生において大切なのは成功することではなく努力すること。最後まで努力を続けて良く戦い抜くということは、挑戦し続けることだと解釈しています。それは人生そのものです」 最後まで戦い抜くために、金子選手の挑戦は終わらない。