突き抜けろ!金子雅紀

突 き 抜 け ろ ! 金 子 雅 紀

人の踏み込まないところへ踏み込んで行く。

2016年4月、東京辰巳国際水泳場で行われた日本選手権200m背泳ぎ決勝のラスト50m。4位で150mを折り返した金子雅紀選手は得意のバサロキックで一気に2位へ浮上。一時は1位の入江陵介選手を抜く勢いを見せ2位に入賞。見事、リオデジャネイロ五輪の出場を決めた。このレース、ラスト150mから165m区間の通過タイムは6.94秒。ラストバサロで6秒台を出す選手は世界でもそうはいない。誰もがきついところで、最後まで高いパフォーマンスを発揮し戦い抜く。これが金子選手の強さのひとつだ。「人の踏み込まないところへ踏み込んでいく。それが雅紀の魅力ですね」と話すのは、筑波大学水泳部競泳のヘッドコーチを務める仙石泰雄コーチ。「例えば、バサロの練習法を模索しているとき、アメリカのトップ選手を育てているコーチが『プールに飛び込んだら、ターンごとにとにかく毎回6回キックを打ちなさい』とアドバイスしていることを知りました。技術とか関係なく。それを雅紀に伝えると、『じゃあ僕は8回やります』と言って、それから必ずどんなときも8回のキックを打っていました。何時間もの練習中ずっとですから、きついはずです。それができるようになると、さらにどうしたら強くなれるかと次の方向性を自分で考えて見いだしていく。何に対しても、普通の選手がきついと思うところで、もっと強くなりたいと好奇心を持って取り組むんです。その姿勢というか考え方は飛び抜けていますね」